Bolivia: Records of the U.S. Department of State, 1960-1963
本データベースは米国国立公文書館が所蔵する国務省一般記録群(RG59)のセントラル・ファイルの中から、米国国務省のボリビア国内事情に関する外交文書約11,700ページを電子化して提供するものです。収録文書は米国国務省在外公館の外交官が国務省と交わした往復書簡です。データベース化に際しては、マイクロフィルム版「ボリビア国内事情関係米国国務省記録集 1960-1963(Records of the Department of State Relating to the Internal Affairs of Bolivia, 1960-1963)」(Scholarly Resources)を電子化しました。
収録文書は米国国立公文書館のファイリング・システムに準じた文書番号が付与されています。国務省一般記録群(RG59)は、1910年から1963年まで十進分類法に則ったファイリング・システムによって整理されていたため、デシマル・ファイル(Decimal File)と呼ばれています。このシステムでは文書番号は、大分類番号(Class Number)+国番号(Country Number)+小分類番号(Subtopic Number)で構成されています。
本データベースに収録される文書の大半は文書番号724,824,924が付与されたものです。文書番号724はClass Number 7(Internal Political and National Defense Affairs)とCountry Number 24(Bolivia)を合わせたもので、ボリビアの内政・国防事情を、文書番号824はClass Number 8(Internal Economic, Industrial, and Social Affairs)とCountry Code 24を合わせたもので、ボリビアの国内経済・産業・社会事情を、文書番号924はClass Number 9(Communications, Transportation, Science)とCountry Code 24を合わせたもので、ボリビアの通信・交通・科学を意味します。
1941年に創設された政党「民族革命運動(Movimiento Nacionalista Revolucionario, Nationalist Revolutionary Movement(MNR)」が1952年、政権を獲得し、ビクトル・パス・エステンセロ大統領の下、普通選挙法の導入、農地改革、錫鉱山の国有化、軍隊の縮小と改革の四大改革を実施しました(ボリビア革命)。エステンセロは1960年の大統領選挙で再されますが、MNR内部の対立が表面化し、1964年の大統領選挙でエステンセロは三選を果たすも、軍事クーデタにより、MNR政権は崩壊しました。MNR政権は対米協調外交を推進しました。錫鉱山の国有化は経済ナショナリズムの観点から実施されたものであり、共産主義を志向するものではなかったものの、冷戦の最中にあって、米国政府はボリビア革命の動向を注視し続けました。収録文書は国務省のMNR政権に対する認識を浮き彫りにします。PresceniaやEl Diarioのような雑誌を共産主義者に奉仕する機関として分析したり、『プラウダ』特派員が対ソ関係の促進に大きな関心を表明したと、ボリビア共産党の機関紙El Puebloが報じたことを大使が言及するなど、MNR政権と共産主義者の関係が米国の関心の焦点にありました。
収録文書の半数以上は国内経済・産業・社会事情に関するものであり、ボリビアの社会経済改革の動向に米国が高い関心を払っていたことが窺われます。
(マイクロ版タイトル:Records of the Department of State Relating to the Internal Affairs of Bolivia, 1960-1963)