Brazil: Records of the U.S. Department of State, 1960-1963
本データベースは米国国立公文書館が所蔵する国務省一般記録群(RG59)のセントラル・ファイルの中から、米国国務省のブラジル国内事情に関する外交文書約26,000ページを電子化して提供するものです。収録文書は米国国務省在外公館の外交官が国務省と交わした往復書簡です。データベース化に際しては、マイクロフィルム版「ブラジル国内事情関係米国国務省記録集 1960-1963(Records of the Department of State Relating to the Internal Affairs of Brazil, 1960-1963)」(Scholarly Resources)を電子化しました。
収録文書は米国国立公文書館のファイリング・システムに準じた文書番号が付与されています。国務省一般記録群(RG59)は、1910年から1963年まで十進分類法に則ったファイリング・システムによって整理されていたため、デシマル・ファイル(Decimal File)と呼ばれています。このシステムでは文書番号は、大分類番号(Class Number)+国番号(Country Number)+小分類番号(Subtopic Number)で構成されています。本データベースに収録される文書は文書番号732,832,932が付与されたものです。文書番号732はClass Number 7(Internal Political and National Defense Affairs)とCountry Number 32(Brazil)を合わせたもので、ブラジルの内政・国防事情を、文書番号832はClass Number 8(Internal Economic, Industrial, and Social Affairs)とCountry Code 32を合わせたもので、ブラジルの国内経済・産業・社会事情を、文書番号932はClass Number 9(Communications, Transportation, Science)とCountry Code 32を合わせたもので、ブラジルの通信・交通・科学を意味します。
1956年に大統領に就任したジュセリノ・クビチェック・デ・オリベイラは外資を導入した工業化政策を推進し、ブラジリアへの首都移転を成し遂げました。1960年の大統領選挙ではジャニオ・クアドロスが勝利し大統領に就任、外資導入への制限策やキューバへの接近が反発を招き、7か月で辞任に追い込まれ、副大統領のジョアン・グラールが大統領に昇格します。グラール政権の下、ブラジル経済はインフレ、成長率の鈍化に見舞われ、政治的には左派勢力が伸長します。これを嫌った軍部が1964年、クーデタを断行し、グラールは失脚しました。収録文書の半数以上は国内経済・産業・社会事情に関するものであり、農産物輸出による外貨獲得、通貨改革等、インフレの進行と国際収支の悪化に直面した政権の経済政策を克明に記録します。
(マイクロ版タイトル:Records of the Department of State Relating to the Internal Affairs of Brazil, 1960-1963)