Morocco: Records of the U.S. Department of State, 1797-1929
本コレクションは米国国立公文書館が所蔵する国務省一般記録群(RG59)の中から、米国国務省のモロッコ関係文書約39,000ページを収録するものです。収録文書は米国国務省在外公館の外交官が国務省と交わした往復書簡です。
モロッコは最も早い時期に米国を国家承認した国の一つで、1777年には自国の港を米国船に対して開港しています。1786年にはモロッコ・米国平和友好条約(マラケシュ条約)を締結しますが、この条約は米国が諸外国と締結し現在も効力を持つ条約の中で最古の条約です。条約締結に尽力した外交官トマス・バークレー(Thomas Barclay)が最初の領事としてタンジールに駐在しました。
この時期、北アフリカの海岸地域ではベルベル人の海賊が欧米の商船を襲撃し、通行料として身代金を要求する事案が多発していました。外交的解決がかなわず、19世紀初頭には米国と北アフリカのベルベル人国家の間で戦争が勃発しました。バーバリー戦争と呼ばれるこの戦争は米国史上初の外国への軍事介入となりました。モロッコは17世紀以来、アラウィー朝の支配下に置かれていましたが、19世紀末の帝国主義時代にはモロッコにおける権益確保をめぐり、ヨーロッパ諸国が相互に牽制し合います。
20世紀初頭にはモロッコを舞台にドイツとフランスの間に2度にわたり緊張が走り(タンジール事件、アガディール事件)、その後の1912年にモロッコはフランスの保護領となります。
本コレクションは1797年から1906年までのタンジール領事の急送文書、モロッコとの完全外交関係樹立後の1905年から1906年までの特命全権公使の急送文書、1910年から1929年までの米国国務省文書の中から、モロッコ内政関係文書、モロッコと他の諸国との政治関係文書、米国とモロッコの政治関係文書、合計約39,000ページの文書群を収録します。
《収録シリーズ》
- Despatches From U.S. Consuls in Tangier, Morocco, 1797-1906
- Despatches From U.S. Ministers to Morocco, 1905-1906
- Records of the Department of State Relating to Internal Affairs of Morocco, 1910-1929
- Records of the Department of State Relating to Political Relations Between Morocco and Other States, 1910-1929
- Records of the Department of State Relating to Political Relations Between the United States and Morocco, 1910-1929
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関連分野
- アフリカ研究
- 政治学・外交研究