Papers of Old Shanghai: Press, Education, Healthcare, and Charity, 1863–1948
中国近代史において上海は出版揺籃の地と言ってよいほど、多くの出版物や新聞が発行された都市です。また、西洋の宣教師、実業家によって大学や学校の創設が相次いだ上海は、教育の先進地域でもありました。米国聖公会の宣教師により創設され、「中国のハーバード大学」と称された St. John’s University(聖約翰大學)をはじめ、Aurora University of Shanghai(震旦大学)、University of Shanghai(滬江大学)、Shanghai American School(上海美国学校)等、多くの教育機関が創設されました。
宣教師や実業家、工部局は上海の公衆衛生制度の確立にも重要な役割を演じました。中国最初の洋式病院である Shantung Road Hospital(仁済病院)はイギリス人医療宣教師ウィリアム・ロックハート(William Lockhart)により創設された病院で、その後イギリス人商人ヘンリー・レスター(Henry Lester)の遺産を寄贈されたことにより Lester Chinese Hospital とも称されました。その他、米国聖公会系の St. Luke’s Hospital(同仁医院)、St. Elizabeth’s Hospital(廣仁医院)、万国紅十字上海支会等が代表的な医療機関です。1932年に創設されたHenry Lester Institute of Medical Research(ヘンリー・レスター医学研究所)は、極東最高の医学研究機関としての名声を博しました。
上海では慈善活動も盛んで、Zi-Ka-Wei Orphanage(上海徐家匯孤児院)、T'ou-Se-We Orphanage(上海土山湾孤児院)、Shanghai International Red Cross Society(上海万国紅十字会)、Relief Society for Shanghai War Refugees、China International Famine Relief Commission Shanghai(華洋義賑会上海支部)、International Relief Committee Shanghai(国際救済委員会上海事務所)、China Welfare Fund等の慈善団体が孤児、難民、飢餓民らの救援活動を積極的に展開しました。
本コレクションは、上海の新聞史を論じた書籍、新聞・雑誌便覧、教育機関の報告書、便覧、写真アルバム、中国におけるキリスト教史に関する研究書、医療機関や慈善団体の年報等を提供するもので、租界時代の上海における出版、教育、医療、慈善活動に光を当てます。
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