Records of the Department of State Relating to Political Relations Between the United States and Venezuela, 1945-1959
本コレクションは米国国立公文書館が所蔵する国務省一般記録群(RG59)の中から、米国国務省の米国とベネズエラの政治関係に関する外交文書約1,000ページを収録するものです。収録文書は米国国務省在外公館の外交官が国務省と交わした往復書簡です。
第二次大戦期、選挙制度改革から農業改革、共産党を始めとする諸政党の合法化まで、様々な改革を推進したメディナ・アンガリタ(Isaías Medina Angarita)大統領は1945年10月、中道左派政党の民主行動党(Democratic Action)と軍が連携したクーデタにより失脚します。普通選挙制の下で1947年に実施された自由選挙では作家で政治家のロムロ・ガリエゴス(Rómulo Gallegos Freire)が勝利を収めますが、大統領就任の数か月後に改革に警戒する保守層の支援を受けたペレス・ヒメネス(Marcos Pérez Jiménez)将軍率いる軍のクーデタにより失脚します。
ヒメネスは反共主義者として冷戦下において米国と緊密な同盟関係を結び、経済的には米系石油企業を始め、米国への投資優遇措置を実施しました。アイゼンハワー政権はヒメネスに勲功章を授与し、その親米政策に報いました。その一方で、ベネズエラ国内では汚職が蔓延し、インフレと高い失業率により国民生活が圧迫される状況の中、反対勢力が政府批判を強めますが、ヒメネス政権は政治警察を通じてこれを弾圧しました。
しかし抗議運動が高まる中で1958年、ヒメネスは亡命を余儀なくされます。同年、民主行動党のロムロ・ベタンクール(Rómulo Betancourt)、キリスト教社会党のラファエル・カルデラ(Rafael Caldera)、民主共和同盟のホビト・ビジャルバ(Jovito Villalba)の間で、大統領選の選挙結果の尊重、政府最低限計画の策定等を内容とするプント・フィホ協定が結ばれ、数年にわたる軍事独裁を経て、ベネズエラに民主政治が回復します。プント・フィホ協定の直後に実施された選挙ではベタンクールが勝利を収めました。
本コレクションは米国国務省の外交文書を通じて、第二次大戦後、数次にわたるクーデタと軍政を経て民主政治を回復させたベネズエラと米国の関係を浮き彫りにします。
(マイクロ版タイトル:Records of the Department of State Relating to Political Relations Between the United States and Venezuela, 1945-1959)
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関連分野
- ラテン系・ラテンアメリカ研究
- 政治学・外交研究