Reports of the Immigrant Commission,1907-1910
「移民の国」アメリカにおいて、連邦政府による移民政策はリンカーン政権の移民局の設置に遡ります。その後、犯罪者、売春婦、精神病患者等の移民を締め出す目的で連邦移民法(1875年)と移民法(1882年)が成立し、西部の太平洋岸地域に低賃金労働者として大量に流入した中国系移民労働者から白人労働者の雇用と賃金を守るために1882年には中国系移民排斥法が成立しました。1891年の移民法によってニューヨークのエリス島に設置された入国審査所は、折から急増していた東欧、南欧、ロシア出身の移民の入国手続きの実施機関として運営されました。太平洋岸地域では、日系移民が中国系移民排斥法による中国系移民の減少の空白を埋めました。日系移民を巡っては、1907年に米国政府は日本政府との間で紳士協約を結び、労働移民の自粛を要請しました。
急増する移民が政治問題化する世紀転換期の状況を受けて、1907年の移民法により合衆国移民調査委員会が設置されました。委員長のウィリアム・P・ディリンガム上院議員の名前を取り、ディリンガム委員会と通称される委員会は、ディリンガムを含む議員と民間人で構成され、移民が米国の産業、都市、学校に与える影響、移民社会における犯罪、移民銀行、売春、慈善団体等の広範な主題を分析し、調査結果を41巻の報告書にまとめました。本コレクションは全41巻の調査報告書を収録するものです。
(マイクロ版タイトル:Reports of the Immigrant Commission, 1907-1910)
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