Shanghai International Settlement: Urban Planning and Development, 1845–1948
本コレクションは、上海共同租界における土地の利用と開発に関する文書群です。具体的には、地価告示書(Land Assessment Schedules, 1869-1933)、土地リスト(Land Lists, 1871-1937)、土地貸借、建築物や道路の施工、不動産関係の税制に関する規則を定めた土地章程・条例集(Land Regulations and Byelaws, 1845-1930)のほか、上海の様々な公共事業体の運営と管理を定める規則や報告に関する文書群です。これらの公共事業体の大半は、Shanghai Waterworks Company、Shanghai Power Company、Shanghai Mutual Telephone Company、Shanghai Telephone Company、Shanghai Electric Construction Company 等、工部局の関連企業でした。収録文書の中には、港湾、造船、貿易、鉄道等、上海共同租界のインフラに関する貴重な文書が収録されています。
上海ではアヘン戦争後の1845年、イギリスが自国民の居住と商業活動のための地域として祖界を創設、アメリカとフランスも租界を設置、中国の主権が及ばない治外法権地域が拡大しました。1863年、イギリス租界とアメリカ租界の合併に伴い、共同租界が誕生します。租界地域で商業活動を営む欧米人により土木関係行政機関として1854年7月11日に創設された工部局(Municipal Council)は、以後統括範囲を拡大、第二次大戦中に共同租界が廃止されるまで、常設行政機関として共同租界の日常業務とインフラ整備事業を運営しました。
工部局は土木、財務、税務、衛生、警察等の部局の他、図書館やオーケストラをも傘下に擁し、大半の部局のトップはイギリス人で占められていました。工部局員と議長は毎年、納税者総会で選出されました。工部局はイギリス人が最多数を占め、大半の部局のトップもイギリス人で占められました。外国人が主体となって運営された工部局に共同租界に居住する中国人が加入することを認められたのは1928年以降のことです。領域確定等、租界の土地に関する法令として定められたのが土地章程で、1845年の制定後、数次にわたり改定されました。土地章程は工部局員の選出方法や傘下の部局の管轄範囲等、工部局の組織と運営を定める憲章としての役割をも担っていました。
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