The George W. Ball Papers
ジョージ・ウィルドマン・ボールは弁護士を経て、第二次大戦中は、国際経済問題の専門家として武器貸与管理局と外国経済管理委員会で勤務しました。ジャン・モネのヨーロッパ統合の理念に共鳴したボールは、欧州石炭鉄鋼共同体の創設にモネの右腕として尽力しました。ケネディ政権では経済問題担当の国務次官に任命され、輸入制限を行なう外国に対して報復措置を行なう権限を大統領に与えるなど、貿易問題で指導力を発揮しました。
ジョンソン政権ではベトナム戦争への介入を批判しましたが、これは平和主義からの批判というよりも、ヨーロッパとの同盟関係が米国外交の基軸であり、アジア、アフリカの問題には深入りすべきではないとする古典的な西洋中心主義者としての信条から来る批判というべきものでした。
本データベースはプリンストン大学マッド図書館が所蔵する約14万ページに上るジョージ・ボール文書を電子化して提供するものです。回顧録『もう一つの模範としての過去』、『大国の規律』他の著述、書簡、外交官時代の公文書、書簡を含む文書群は、古典的なヨーロッパ中心主義を貫いた外交官を通して20世紀の米国外交の一断片を浮かび上がらせます。
(マイクロ版タイトル:The George W. Ball Papers)