The Global War on Terrorism
1990年代、テロ事件の発生件数は年を追うごとに増加し、事件の規模も拡大傾向にありました。アメリカ国民のテロに対する危機意識は否応なく高まり、政治家や政策担当者も有効な対テロ政策を立案する必要性を痛感するようになりました。そして、この傾向が最高潮に達したのが2011年9月11日に発生した同時多発テロです。事件発生直後にブッシュ政権は対テロ戦争を宣言し、アメリカを防衛し、アメリカ国内のテロ組織を根絶し、アルカイダ傘下の国際的なテロ組織のネットワークを解体することを対テロ戦争の目的として掲げました。しかしその後、この政策をめぐり、大きな論争が巻き起こりました。批判する人々は、一方的な先制攻撃、人権の蹂躙、国際法違反を問題視しました。
本コレクションは、テロに対して米国連邦政府省庁や民間機関が発表した調査報告を収録することで、対テロ戦争を歴史的に評価するための材料を提供するものです。国際的なテロや米国内のテロに対する戦争に関する資料としては、最も信頼性のある資料群です。各報告書は、個々のテロ事件を詳細に分析し、テロ組織が暴力によって何を実現しようとしているのかを詳らかにし、テロの起源と発展のプロセスを辿り、テロリズムの心理学に分け入り、国家の支援を受けたテロと独立系のテロを比較し、有効な対テロ政策を運用することに伴う問題点を明らかにします。収録文書は、アルカイダ、バイオテロリズム、ケミカルテロリズム、サイバーテロリズム、核テロリズム、グローバルな対テロ戦争、インフラの保護と安全保障に大きく分類されます。
(マイクロ版タイトル:Studies in Global Crisis: The Global War on Terrorism)
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関連分野
- アメリカ史
- 政治
- 20世紀研究
- 現代グローバリゼーション史