The Times Literary Supplement Historical Archive, 1902-2019
「TLS」の略称で知られるイギリスの週刊書評誌『Times Literary Supplement』の1902年創刊から2019年までのすべての号をデジタル化、さらに匿名記事の著書名を特定し、検索可能にした画期的なデータベースです。
イギリスの高級日刊紙『タイムズ』が、議会休会中に空いたスペースを埋めるために構想した文芸補遺欄が1902年1月「Literary Supplement」の始まりです。当初は『タイムズ』の一部をなしていましたが、1914年2月19日号からは並行して別刷りも発行、1914年3月12日号からは別刷りのみとなり現在に至っています。
今でこそ書評誌は多く発行されていますが、TLSはアメリカの『New York Times Book Review』と並ぶ書評誌のパイオニアとして、世界の知識人、批評家、作家、読書人の尊敬を集めてきました。その書評は長文のものが多く、主題とする書籍以外の関連書にも言及するなど、書評という形式を借りた論文という方が相応しいかもしれません。名批評として長く後世に残るものも少なくありません。
《匿名記事の著者と記事を紐付け》
TLS は創刊当初から1970年代まで、公正な議論を確保することを目的として書評は匿名で掲載するとの編集方針を堅持してきました。TLS をデータベース化するに際して、タイムズ資料室に保存されている歴代編集者による書き込み入りTLS 原本、編集日誌、週報などを駆使して、匿名記事の著者を突き止めることに成功し、匿名記事と著者を紐付けした上で、創刊号以来のすべての記事を著者から検索できるようにしました。新たに著者が明らかになった記事は、特に著名な作家の場合は著作集に掲載されていない可能性があるため、作家研究、文学史研究にとって大きな意味を持つことは言うまでもありません。
*1978年12月8日~1979年11月16日の期間は労使紛争で本誌の発行が停止されたため、収録されておりません。
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