南北戦争の国際的文脈
南北戦争の国際的文脈
The American Civil War: The International Context
- 2024年12月リリース予定!
本アーカイブは、アメリカ南北戦争を国際関係の中に位置づけることで、新たな歴史的視点を提供しようとするものです。
南北戦争は北部と南部がアメリカの戦場で死闘を繰り広げた実戦であるとともに、国際世論に向けた外交戦と情報戦でもありました。北部と南部はヨーロッパ諸国、とりわけ覇権国の英国の支持を得るために、外交戦略を展開するとともに、民間レベルでもメディアを通じた情報戦を通じて、自陣営の正当性を訴え、国際世論を味方につけることを試みました。南部は綿花という戦略商品を武器にヨーロッパ諸国に支持を訴え、北部は民主主義と奴隷解放の大義を掲げヨーロッパ市民の反奴隷制感情に訴えかけました。
ヨーロッパ諸国の方も、南北戦争に対する介入の機会をうかがっていました。開戦当初、英国の指導層では南部支持勢力が影響力をおよぼしていたものの、戦況が北部有利に傾き、リンカーンが奴隷解放宣言を発するにおよび、パーマストン内閣は中立方針を固め、不介入が得策との判断にいたりました。
本アーカイブでは、英国外務省文書、海軍本部・国防省文書、パーマストン内閣の外務大臣ジョン・ラッセル文書、内務省文書、ロンドンで発行された北部派の新聞『London American』、同じくロンドンで発行された南部派の新聞『The Index』、南部からロンドンに送り込まれ、『The Index』を創刊し、英国の南部支持に向けて情報活動を繰り広げたヘンリー・ホッツェ(Henry Hotze)、武器の提供や資金援助を通じて南部を支援したリバプールの貿易商社フレイザー・トレンホルム商会(Fraser, Trenholm & Co.)、リバプールのマージードック・港湾理事会のジョージ・バスク・クロウ(George Busk Crow)、コバム家(Cobham Family)等々、政府や民間の文書を幅広く収録します。
近年、南北戦争を国際的な視点から再評価する学問的気運が高まっています。本アーカイブは主にアメリカ国外の政治・外交文書や出版物、個人文書を通じて、南北戦争を同時代の国際関係の中に位置づけ、再評価を試みるための興味深い一次資料集です。
《収録予定の資料》
*以下は諸般の事情により変更となる可能性があります。
英国国立公文書館より(いずれも南北戦争関係の文書を精選)
- 米国関係の一般外交文書
- 在米公館文書、機密資料など
- 英外相ジョン・ラッセル卿個人文書
- 英海軍文書
- 植民地省文書(主にカリブ海)、条約文書、商務委員会文書、法務文書など
- 内務省文書
- 関税庁文書
大英図書館
- 南部連合側のプロパガンダ紙『The Index』1862-1865年
- 合衆国側のプロパガンダ紙『London American』1860-1863年
米国議会図書館
- ロンドンで活動した南部側の工作員ヘンリー・ホッツェ文書集 Henry Hotze Papers, 1861-1865
リバプール海事博物館
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南部を支援したリバプールの貿易商社フレイザー・トレンホルム商会文書集 Fraser, Trenholm & Co. Papers, 1860-1877
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米国に移住し南北戦争に関わったコバム家の文書集 Bryson Collection, Cobham Family Records, 1862-1865
- 南北戦争に言及した貿易商の書簡 George Busk Crow Letters, 1861-1864
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関連分野
- アメリカ史
- 国際関係
- イギリス研究
- ヨーロッパ研究