Chatham House Online Archive, Module 1: Publications and Archives of the Royal Institute of International Affairs, 1920-1979
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イギリスを代表するシンクタンク、王立国際問題研究所〈チャタムハウス〉の刊行物・未刊行資料・音声資料を収録するアーカイブの第1部:1920-1979年編です。(第2部:1980-2008年編と合わせてご検討ください。)
世界最高クラスのシンクタンク
1920年にイギリス国際問題研究所としてロンドンで創設され、1926年、勅許状を授与され王立国際問題研究所となりました。その後、20世紀を通して世界各国で国際問題の研究機関が創設されますが、王立国際問題研究所はこれらの研究機関のモデルとして機能してきました。本部の建物名から〈チャタムハウス〉とも呼ばれます。
書籍、調査報告、逐次刊行物等、膨大な出版物
チャタムハウスは政策立案のための研究成果を公表するために精力的に出版活動を行なってきました。本データベースは、初期の年次刊行物や調査報告、重大事案に関連してその時々に発行されてきた書籍・パンフレット、そして『International Affairs』『The World Today』のような逐次刊行物を収録することで、創設以来のチャタムハウスの研究活動の全貌を伝えます。
当時の雰囲気を伝える音声記録付の講演会の記録
研究、出版活動と並び、チャタムハウスが精力的に実施したのが、世界各国の学者、政治家、外交官、官僚、マスコミ関係者、経営者、NGOを招聘した講演会やフォーラムの開催です。本データベースは講演やフォーラムの逐語録を収録するだけでなく、当時の雰囲気を臨場感をもって伝える録音記録(1966年以降)を検索可能な逐語記録とともに収録します。
《ウェビナー録画を見る》
(約40分、チャプターあり・スライドはこちらから)
収録資料の例:
【逐次刊行物、会議録】
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International Affairs, 1922-1979
今日までつづく、王立国際問題研究所の代表的な査読誌。当初会員向けの雑誌でしたが、執筆者や読者を非会員にも拡大し、現在では国際政治を代表する雑誌と評価されています。 -
British Yearbook of International Law, 1920-1939, 1944-1973
イギリス外務省法律顧問だったサー・セシル・ハーストが創刊。国際法の諸問題を議論するための独立した場を提供しました。歴代編集長には、ジェイムズ・レスリー・ブライアリー、アーノルド・ダンカン・マクネア、ハーシュ・ローターパクトら、国際法の権威がいます。 -
Survey of International Affairs, 1924-1963
同時代の国際問題を概観することを目的として刊行。35年間に33巻が刊行されました。1巻のページ数は400ページから800ページ。記述は原則として「イギリスとエジプト」「イタリアと南欧」のように一国単位ではなく国家・地域間関係を単位としました。戦間期はアーノルド・トインビーが主に執筆し、必要に応じてローターパクトらの各分野の専門家と分担執筆しました。第二次大戦後は歴史家のピーター・カルヴォコレッシ、ジェフリー・バラクロウ、ドナルド・ワットらが執筆に当たりました。トインビーにとっては『歴史の研究』と補い合う関係にありました。 -
Documents of International Affairs, 1928-1963
初期の編集長はジョン・ウィラー=ベネット、アンソニー・イーデン、ハリファックス、アーネスト・ベヴィン、オリヴァー・フランクス、ディーン・アチソン、ハーバート・モリソンらでした。重要文書、条約、合意文書、外務大臣らの演説の抜粋に、序文、年譜、地図などが付されています。 -
Bulletin of International News, 1925-1945
主な国際政治上の出来事をまとめ、時事問題に関する短い記事、関連文書や演説などを含む、隔週刊の定期刊行物。1945年7月より The World Today(↓)に取って代わられました。 -
The World Today, 1945-1979
Bulletin of International News(↑)の後継誌で、International Affairs と並んで、今日までつづくチャタムハウスの代表的な定期刊行物です。広範な一般読者を想定し、より写真や図表を多用して国際問題の論点をわかりやすく伝えます。 -
Refugee Survey, 1937-1939
1937年から1938年に行われた難民問題に関する調査資料(11巻)、予備報告と本報告(各1巻)、追加報告(1巻)から成る資料群です。 -
Review of the Foreign Press, 1939-1945
第二次大戦が勃発すると、チャタムハウスは外国調査・報道サービス(FRPS)を創設し、諸外国の新聞報道を調査し、調査結果を外務省等の政府省庁に提供しました。FRPSは本部がオックスフォード大学ベイリオル・コレッジに置かれ、アーノルド・トインビーが組織を統括しました。FRPS創設時の外相アンソニー・イーデンによれば、FRPSは蔵書、スタッフ、財政面においてチャタムハウスから支援を得ていました。FRPSの調査結果を提供する媒体として製作されたのが Review of the Foreign Press です。外国の新聞報道だけでなく、書籍、パンフレット、放送、個人の情報も調査し、必要に応じて寄稿者の解説も加えました。冒頭ページに ”confidential” と書かれていて、政府内では機密扱いされていたことが分かります。 -
Survey of British Commonwealth Affairs, 1918-1969
上述 Survey of International Affairs の英連邦版です。オーストラリアの歴史家キース・ハンコック、アイルランド出身の歴史家ニコラス・マンサーグらが執筆しました。 -
Documents and Speeches of Commonwealth Affairs, 1931-1962
Survey of British Commonwealth Affairs (↑)の資料編で、Survey でカバーされている主題に関する重要文書、条約、合意、演説を収録します。編集長はニコラス・マンサーグ。 -
British Commonwealth Relations Conferences, 1933-1965
英連邦(コモンウェルス)加盟国間の国際関係の諸問題を討議することを目的として1933年トロントで第1回会議が開かれました。以後1965年のニューデリーの会議まで7回開催され、イギリス、カナダ、オーストラリア、ニュージーランド、南アフリカ、インドが代表を送りました。会議録はアーノルド・トインビーが編集しました。 -
Institute of Pacific Relations Conferences, 1927-1958
1920年代、太平洋沿岸地域の相互理解の促進を図るために創設された太平洋問題調査会(Institute of Pacific Relations)の国際会議の会議録です。
【講演者の例】
A:録音付きの講演が収録されていることを示しています
R:チャタムハウス・ルール(下記参照)が適用された講演が収録されていることを示しています
《国際問題全般》
- ライオネル・カーティス〈R〉
- アルフレッド・ジマーン〈R〉
- デイヴィッド・デイヴィス〈R〉
- ロバート・ブルース・ロックハート
- ハロルド・ニコルソン〈R〉
- アーノルド・トインビー[A]〈R〉
- ハーバート・バターフィールド
- ジェフリー・バラクロウ
- マーティン・ワイト
- ヘドリー・ブル〈R〉
- マーティン・ギルバート[A]
《経済》
- F・A・ハイエク〈R〉
- ロイ・ハロッド
- ジェイコブ・ヴァイナー
- ベルティル・オリーン〈R〉
- ジェイムズ・ミード
- アーサー・ルイス〈R〉
- アンドリュー・ションフィールド〈R〉
- スーザン・ストレンジ[A]〈R〉
《法律》
- ジョン・フィッシャー・ウィリアムズ〈R〉
- ジェームズ・レスリー・ブライアリー〈R〉
《軍事》
- ジョージ・トムソン
- マイケル・ハワード[A]〈R〉
- ローレンス・フリードマン[A]
《イギリス・アイルランド》
- ラルフ・ノーマン・エンジェル〈R〉
- アーネスト・ベヴィン〈R〉
- クレメント・アトリー〈R〉
- アンソニー・イーデン〈R〉
- アレック・ダグラス=ヒューム〈R〉
- ニコラス・マンサーグ〈R〉
《ヨーロッパ》
- ウィッカム・スティード〈R〉
- ジョージ・ピーボディ・グーチ〈R〉
- ロベール・シューマン
- リヒャルト・クーデンホーフ=カレルギー〈R〉
《フランス》
- アンドレ・モーロワ〈R〉
- アルフレッド・コバン
- レイモン・アロン
- ピエール・マンデス=フランス
- モーリス・シューマン〈R〉
- フランソワ・ミッテラン[A]〈R〉
- ミシェル・ロカール[A]
《イタリア》
- カルロ・スフォルツァ〈R〉
- ピエトロ・ネンニ
《ドイツ》
- ヒャルマル・シャハト〈R〉
- コンラート・アデナウアー〈R〉
- ゲルハルト・リッター〈R〉
- マイケル・バルフォア
- ウィリー・ブラント〈R〉
- フランツ・ヨーゼフ・シュトラウス〈R〉
- アラン・ブロック[A]〈R〉
- ヘルムート・シュミット
《オーストリア・ハンガリー》
- ロバート・ウィリアム・シートン=ワトソン〈R〉
- カール・ポランニー〈R〉
《チェコ・スロヴァキア》
- ヤン・マサリク〈R〉
- ヤン・カバン[A]
《ポーランド》
- オスカー・ランゲ
《ユーゴスラヴィア》
- レベッカ・ウェスト〈R〉
- デニソン・ルシノウ[A]
《ソ連・ロシア》
- アイザック・ドイッチャー〈R〉
- レオナード・シャピロ〈R〉
- ピーター・ワイルズ[A]〈R〉
- ヒュー・シートン=ワトソン
- アレク・ノーヴ[A]〈R〉
《アメリカ》
- ラインホルド・ニーバー〈R〉
- ウォルター・リップマン
- ジョージ・ケナン〈R〉
- ケネス・ガルブレイス[A]〈R〉
- ノーム・チョムスキー[A]〈R〉
《中東》
- ヴァレンティン・チロル
- ダフ・クーパー
- ハミルトン・ギブ〈R〉
- アルバート・ホウラニ〈R〉
- バーナード・ルイス〈R〉
- アバ・エバン[A]〈R〉
- ヨルダン国王フセイン[A]〈R〉
- フレッド・ハリディ[A]
《南アジア》
- マハトマ・ガンジー
- ジャワハルラール・ネルー〈R〉
《中国・香港》
- 顧維鈞〈R〉
- 胡適
- 蒋廷黻
- オーウェン・ラティモア
- ジョン・フェアバンク〈R〉
- ロデリク・マクファーカー〈R〉
《日本》
- 鶴見祐輔〈R〉
- 高柳賢三〈R〉
- クリストファー・チャンセラー〈R〉
- ジョージ・シリル・アレン〈R〉
- ギュンター・シュタイン〈R〉
- ハーバード・ヴェア・レドマン〈R〉
- ロナルド・ドーア〈R〉
- リチャード・ストーリィ[A]〈R〉
チャタムハウス・ルールについて
「会議の出席者は会議で得た情報を自由に使用することができるが、会議での発言者とその所属機関を含む情報の出所を明らかにしてはならない」とのルールはチャタムハウスから発祥し、現在ではチャタムハウス・ルールとして国際会議で広く採用されています。本データベースにおいては、チャタムハウス・ルールが採用された会議の記録について、発言者が特定できる部分が文書上では白塗り、音声上は消去されていることがあります。あらかじめご了承ください。
【収録書籍の例】
《国際政治》
- ハロルド・テンパリー(編)『パリ講和会議の歴史』(全6巻 ,1920-1924)
- トインビー『パリ講和会議後の世界』(1925)
- G・M・ガソーン=ハーディ『国際問題小史 1920-1934』(1934)
- マーティン・ワイト『権力政治』(1946)
- アレクサンダー・リンゼイ『近代民主国家』(1962)
- ロザリン・ヒギンズ『国連の政治機関を通じての国際法の発展』(1963)
- フィリップ・コネリー他『稀少性の政治学:国際関係における資源紛争』(1975)
《軍事・安全保障》
- ヒュー・ラティマー『海軍軍縮:ワシントン会議から現在までの簡潔な記録』(1930)
- J・H・マーシャル=コーンウォール『地理的軍縮:地域的非武装化の研究』(1935)
- コーラル・ベル『議論の余地のある同盟:英米関係試論』(1964)
- ケネス・トゥイチェット『国際安全保障:生存と安定に関する省察』(1971)
- バーナード・バローズ他『西欧の安全保障:共通防衛政策に向けて』(1972)
《経済》
- ジョシュア・スタンプ、デニス・ロバートソン他『金の国際的問題』(1931)
- ギルバート・ハバード『東洋諸国の工業化と西洋への影響』(1938)
- アーサー・ブラウン『工業化と貿易:世界のパターンの変化とイギリスのポジション』(1943)
- ラルフ・ホートレー『国際収支と生活水準』(1950)
- ジェイムズ・ミード『国際経済政策の理論』(全2巻 ,1951-1955)
- アンドリュー・ションフィールド(編)『西側世界の国際経済関係 1959-1971』(全2巻 , 1976)
《イギリス》
- アーノルド・トインビー『講和以来の大英帝国外交政策の運営』(1928)
- ジェラルド・パーマー(編)『英連邦における諮問と協調』(1934)
- エリック・ウォーカー『大英帝国:その構造と精神』(1943)
- アラン・フィッシャー『イギリスにおける完全雇用の国際的含意』(1946)
- リチャード・フロスト(編)『英連邦と世界:英連邦非公式会議議事録』(1947)
- ニコラス・マンサーグ『英連邦と諸国民』(1948)
- ロバート・クチンスキー『イギリス植民地帝国の人口動態概観』(全3巻 , 1948-1953)
- ケネス・ヤンガー『イギリス外交政策におけるパースペクティヴの変化』(マイケル・ハワード序文、1964)
- スーザン・ストレンジ『スターリング・ポンドとイギリスの政策』(1971)
- ジョセフ・フランケル『イギリス外交政策 1945-1973』(1975)
- ウィリアム・ウォレス『イギリス外交の政策プロセス』(1976)
《西欧》
- ハロルド・ニコルソン他『ドイツとラインラント』(1936)
- W・M・ジョーダン『イギリス、フランスとドイツ問題 1918-1939』(1943)
- ジェイムズ・パークス『ユダヤ人問題の勃興 1878-1939』(1946)
- デイヴィッド・トムソン『1870 年以降のフランス民主主義』(1964)
- ロナルド・アーヴィング『西欧におけるキリスト教民主政党』(1979)
《東欧》
- レジナルド・ベッツ(編)『中欧と南東ヨーロッパ 1945-1948』(1950)
- アルフレッド・ゾーバーマン『ポーランド、チェコ・スロヴァキア、東ドイツの工業発展 1937-1962』(1964)
《ソ連・ロシア》
- キャスリーン・ギバード『ソビエトロシア序説』(1942)
- マックス・ベロフ『ソビエトロシアの外交政策 1929-1941』(1947-1949)
- アイザック・ドイッチャー『ソ連の労働組合』(1950)
- スタニスワフ・シフイアニエビッチ『強制労働と経済開発:ソビエト工業化の経験』(1965)
- トインビー、シートン=ワトソン他『ロシア革命の影響 1917-1967』(1967)
《北米》
- ウィリアム・ランガー他『世界の危機とアメリカ外交政策』(1952)
《中南米》
- J・A・カマーチョ『ブラジル:中間評価』(1954)
- ギルバート・バトランド『チリ:その地理、経済、政治概観』(1956)
- ジョージ・ペンドル『ウルグアイ:南米最初の福祉国家』(1957)
- ロビン・ハンフリーズ『イギリス領ホンジュラスの外交史 1638-1901』(1961)
- ハワード・クライン『メキシコ:革命から進化へ 1940-1960』(1962)
《アフリカ》
- ヘイリー卿『アフリカ概観:サハラ以南アフリカにおける諸問題』(1938)
- J・E・スペンス『重圧を受ける共和国:南アフリカ外交政策の研究』(1965)
- アーサー・ヘイズルウッド『アフリカの統合と解体:経済・政治連合の事例研究』(1967)
- ウィルフリッド・クナップ『北西アフリカ:政治経済概観』(1977)
《中東》
- アルバート・ホウラニ『アラブ世界における少数民族』(1947)
- チャールズ・イサウィ『エジプト:経済社会分析』(ハミルトン・ギブ序文 , 1947)
- ハミルトン・ギブ他『イスラーム社会と西洋』(1957)
- ドリーン・ワリナー『中東における土地改革と開発:エジプト、シリア、イラクの研究』(1957)
- ジャマル・モハメド・アーメド『エジプトのナショナリズムの知的起源』(1960)
- バーナード・ルイス『近代トルコの出現』(1961)
- ガブリエル・ベール『近代エジプト土地所有史 1800-1950』(1962)
- パトリック・シール『シリアをめぐる闘い:戦後アラブ政治の研究』(1965)
- アルバート・ホウラニ『自由主義の時代におけるアラブ思想 1798-1939』(1967)
《南アジア》
- B・B・ミスラ『インドの中産階級』(1961)
- ヒュー・ティンカー『自在な実験:インドとパキスタン、1947 年』(1967)
- ルイス・オマリー(編)『近代インドと西洋:文明の交流の研究』(1968)
- アジズ・アーマド『インドとパキスタンにおけるイスラーム的近代主義』(1970)
《東南アジア》
- ジョージ・カヒン『インドネシアにおけるナショナリズムと革命』(1952)
- ヴァージニア・トンプソン他『東南アジアにおける少数民族問題』(1955)
- ハリー・ベンダ『三日月と旭日:日本占領下のインドネシアのイスラーム1942-1945』(1958)
- ドナルド・ランカスター『フランス領インドシナの解放』(1961)
- ピーター・ライオン『東南アジアにおける戦争と平和』(1969)
《中国》
- S・B・トマス『共産主義国家中国における政府と行政』(1955)
- トレヴァー・ヒューズ他『共産主義国家中国の経済開発 1949-1960』(1961)
- ロデリク・マクファーカー(編)『中米関係 1949-1971』(1972)
- ウォルフ・メンドル『日本の中国政策の諸問題』(1978)
《日本》
- ハロルド・パーレット『満洲の外交問題に関する簡潔な説明』(1929)
- A・H・マクドナルド『日本帝国主義における事実と虚構』(1944)
- フランク・ジョーンズ『1931 年以降の満洲』(1949)
- ジョージ・シリル・アレン『日本の経済復興』(1958)
- フランク・ジョーンズ『北海道:現状と将来展望』(1958)
- I・I・モリス『日本のナショナリズムと右翼:戦後の動向』(丸山眞男序文、1960)
《オセアニア》
- フレデリック・エグルストン『オーストラリアの外交政策の省察』(1957)
- トレヴァー・リース『オーストラリア、ニュージーランド、アメリカ合衆国』(1969)
お客様の声
「チャタムハウスのデータベースはイギリスの政策立案過程を知るために有効」
池田 明史 先生(東洋英和女学院大学)
- 小社刊「In the Words of Users:Gale ユーザーインタビュー集」より, 2015