Japan: Records of the U.S. Department of State Relating to Political Relations, 1940-1944
本コレクョンは米国国務省セントラル・ファイル十進分類法「711.94」の日米政治関係文書より、1940年から1944年までの文書を収録します。
戦争を阻止するための開戦前夜の外交努力も空しく、日米両国は1941年12月に戦争状態に入り、1945年9月2日に日本が降伏文書に調印するまでの3年9ヵ月の間、交戦国の関係にありました。
本コレクションは1940年1月から1944年6月までの8,800ページの文書を収録しますが、そのうち80%以上は開戦前の時期の文書です。開戦前の日米関係は関係改善のための日米交渉とその破綻のプロセスです。民間に端を発する当初の日米関係改善の動きが政府の交渉へと格上げされ、破綻にいたるプロセスは多くの歴史書で語られてきました。
本コレクションには、一連の交渉プロセスと周辺事情に関して米国国務省と駐日大使館の間で交わした往復書簡が多数収録されています。一連の記録は、コーデル・ハル(国務長官)、スタンリー・ホーンベック(国務長官特別顧問)、ジョゼフ・バランタイン(国務省高官)、マクスウェル・ハミルトン(同)、ジョゼフ・グルー(駐日大使)、野村吉三郎(駐米大使)、若杉要(駐米大使館公使)、井口貞夫(駐米大使館参事官)、寺崎英成(駐米大使館一等書記官)、岩畔豪雄(駐米大使館駐在武官)、森島守人(ニューヨーク総領事)から、笠井重治(衆議院議員)、井川忠雄(産業組合中央金庫理事)、ジェームズ・トラウト(カトリック神父)、ジェームズ・ウォルシュ(カトリック神父)まで、日米交渉過程に関わった多くの当事者たちの行動と発言が克明に記録されています。
米国では開戦直後から国務省を中心に、戦争終結後の対日政策の検討が着手されました。戦時中の対日政策の論議と立案は、戦後占領政策の形成過程を学術的に研究する上で極めて重要な位置づけを持っています。一例を挙げると、本コレクションには、1943年3月にジョージ・ブレイクスリー(George H. Blakeslee)を議長とする研究グループ(メンバーはスタンリー・ホーンベック、ヒュー・ブラス、アーサー・ラヴジョイら)の議論の梗概が「アメリカの戦後対日政策(American Policy Toward Japan After the War)」として収録されています。
本コレクションは開戦前夜の日米交渉過程、並びに、戦後占領政策に繋がる米国対日政策の形成過程を記録する資料集として極めて大きな価値を持っています。
※1930-1939年編, 1945-1949年編, 1950-1959年編も合わせてご検討ください。
(マイクロ版タイトル:Records of the Department of State Relating to Political Relations between the United States and Japan, 1940-1944)
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