The Papers of Henry Lewis Stimson 1861-1966
ヘンリー・ルイス・スティムソン(1867-1950)はタフト政権の陸軍長官、フーバー政権の国務長官、フランクリン・ルーズベルト/トルーマン両政権の陸軍長官と、歴代政権の要職を歴任し、外交・安全保障政策に大きな足跡を残しました。
1920年代にはペルー・チリの国境紛争とニカラグア内戦の調停を行い、1930年代のルーズベルト政権における中南米に対する善隣外交政策の礎を築きました。対アジア政策では満州事変が勃発すると、武力による現状変更を認めない態度を表明するために、合衆国と中華民国の権利を侵害する条約や協定を承認しないとする覚書を日中両国に送付しました。
本コレクションはイェール大学図書館が所蔵する、約17万ページにわたるスティムソン文書を収録するものです。書簡、演説原稿、論文、編集者宛て書簡、議会向けの声明の他、各種報告書、印刷物、覚書、写真等、スティムソンの公私両面にわたる活動が仔細に記録されています。
陸軍長官や国務長官時代のスティムソンの公的活動を記録した文書は米国国立公文書館にも所蔵されていますが、イェール大学図書館が所蔵する本コレクションの文書群は、公的活動とともにプライベートな活動にも関わるものであり、国立公文書館の資料群と補完し合う関係にあります。
特に1920年代に中南米の紛争解決のため特使として派遣された時の記録群は当事者による生の記録であり、時代背景を示す文書として第一級の価値を持ちます。また、国務長官時代の記録には諸外国の外交官との会話の記録や同時代の外交問題の背景を伝える資料が豊富に含まれています。
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関連分野
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